だからといって

「紺ちゃんのことが、うらやましかったんだよ」

昔お世話になった年上の男性と食事に行った。会うのが久しぶりなので、どうしたって近況報告になる。今どういう仕事をしているか話した。相手の仕事、悩みなどを聞いた。

私はとても疲れて、次の日寝込み、その翌日には風邪をひいた。なにかもやもしたものがあるが、正体がわからない。夫と友人に話を聞いてもらった。自分ひとりでは、そして弱っているときはなおさら、自分のことがわからないのだ。ふたりの話からするに、私は年上の男性にばかにされたようだった。そうか、私は傷ついていたんだ。

年上の男性の悩みのことを思い出した。彼がお酒を片手にばかにしたものが、彼の悩みに対して必要なものなんじゃないかと思った。価値観が違いすぎるので、たぶん理解しにくかったんだろう。必要性もわからないんだろう。でもだからって、人を傷つけていいわけじゃない。

考え方はいろいろあっていいけれども、私を傷つけるようなことは言わないでほしいとLINEした。既読スルーなので、きっとこれっきりだろう。残念なことなのか、喜ばしいことなのか、わからない。