1月1日の昼

昼前に起きる。夫はグリルで餅を焼き、私は出汁や具材を作る。合わせて雑煮にする。別の皿に、仕込んでおいた数の子、出来合いの黒豆、かまぼこを載せる。毎年恒例の、元旦の風景だ。

我が家にはテレビがない。静かだ。ひとつひとつに意味をもたせたおせち料理はお互いに好みじゃないので、食べたくないものを食べる気持ちの重さもない。帰省することもない。軽い。

こんなに静かで軽くていいのかしらん、と思うことがある。でもふたりで自由に選んだ結果と考えると、大切にしたくなる。起きる時間、雑煮の具材、味つけ、なんちゃっておせちのラインナップ。

夫に「あけましておめでとう」と言った。彼は「うん」と言った。「今年もよろしくね」と言ったら「うん」と返ってきた。軽すぎる。「言葉を節約しすぎるのはよくないよ」と付け足したけど、雑煮に熱視線を向けていたので諦めた。私たちらしい、1年の始まり。